ビルの谷間のラーメン屋

片岡鉄哉氏の読み応えある記事である。

氏が言わんとしている事のキモは、この部分であろう。

田中訪中の結果として、「ビルの谷間のラーメン屋」という二極分裂外交がうまれている。 しかし「ラーメン屋」に東西等距離外交ができたのは、米中デタント、つまり事実上の米中同盟があったからだ。日本が米国と中国に挟まれている以上、「ラーメン屋」であろうが、裸であろうが、安全だった。ただし、中国は日本に安全を高価で売りつけた。「ラーメン屋」は中国に城下の誓いをたてて六兆円を払っている。 私は対中接近や東西等距離外交に反対しているのではない。ただ「ラーメン屋」にはそんな自由はないというに過ぎない。非武装国家が保護者を蹴飛ばして、共産主義独裁国家と手を組むのは自殺行為である。特に、非核国家である日本が、核の傘を貸してくれる米国を蹴って、反米の日中協商をやるというのは、怖いもの知らずである。

これが書かれたのが一年前なので、その後の日本を見ていると、なるほどと思える部分も多い、。
もともとの、「日本よ、同盟を拒絶するのか」とする、米国での論文が発表されていることについて、どこかで読んだ記憶があった。


日本はいびつな国家になっているのだなと気づかされる。日本の国の中だけならば平和憲法という理想主義だけでまかなえる。しかし現実の国際社会の中では何の役にも立たない。
日本が国家としての尊厳を保ち、平和と繁栄を維持し、且つアジアの安定に寄与するためには、一旦憲法を改正して日本が普通の国になり、そして新たな力のバランスを模索するしかないのではないだろうか?