中国での企業活動

 電話機メーカー、ユニデンの中国広東省深センにある工場で18日から、労働者によるストライキが行われ、生産が止まっていることが21日明らかになった。現在、地元政府関係者が調停に入っており、早期に操業再開できるとしている。同社はストの原因について「反日運動の動きに、一部の労働者が反応して起きたのでは」とみている。

 同工場で働いている約1万5000人の中国人労働者のうち、組み立てラインに従事している約3000人がストに参加している。建物や生産設備への被害はない。ユニデンは「中国全土で広がっている反日運動に一部の労働者が呼応して労働放棄を呼びかけた可能性がある」としているが、詳細は明らかになっていない。

 ストの影響で18―20日の3日間、工場内すべての生産ラインが止まった。21日は定休日でもともと操業の予定はなかった。現地の日本人責任者が地元政府に調停を依頼。現在、話し合いを続けており、早ければ22日にも操業再開の見通しという。 (19:25)

誰かが呼びかければ即操業停止になる。普通ありえないが、日本企業ならば有り得るというのか?
こういう状況ではまともな労務管理・企業経営などあったものではない。
アサヒビール不買運動の件や、許文龍氏の一件を思えば、中国に進出する企業は、いわば中国に人質を取られたような状態と言えるのではないか?
中国に深入りした企業は、悪くすれば中国に操られる走狗と化す場合も想定される。

アサヒビール:歴史問題で不買運動

 アサヒビールの名誉顧問を務める中条高徳氏が、「新しい歴史教科書をつくる会」の会報に「靖国神社を参拝しない政治家に、政治にあたる資格はない」という趣旨の文章を発表したなどとして、中国東北部吉林(きつりん)省・長春(ちょうしゅん)市を中心にアサヒビールの非買運動が起こっていることが、30日付で伝えられた。

 この動きに対し、アサヒビールの常務執行役員で中国総代表を務める大澤正彦氏は、「アサヒビールは、これまで『新しい歴史教科書をつくる会』に資金提供などの援助を行ったことはない。問題とされているのは純粋に、中条氏個人の発言だ。アサヒビールはとしては、まったく知らないことだ」と主張。また、中条氏の発言に対して、「非常に残念だ」と述べた。31日付で京華時報が伝えた。

 中国では、長春市でアサヒビール不買運動が起こっていることが伝えられたが、不買運動北京市にも広がりをみせている。さらに、アサヒビールと提携関係にある某有名企業の責任者は、「アサヒビールとは投資で提携しているだけ。ひた隠しに隠そうとする態度をみれば、今回の事件が原因で売り上げに影響することを恐れていることが分かる」などと批判したとのこと。(編集担当:田村まどか)

許文龍事件の真相

 台湾の有力財界人である許文龍氏(77歳)が「両岸は一つの中国に属しており、中国の反国家分裂法を支持する」との書簡を公表した。許氏は台湾の陳水扁政権を支え、李登輝前総統と共に「台湾独立」を主張するなど信念の人だった。

 今まで、中国側による許氏への脅迫や妨害工作は再三にわたり行われていた。「許氏が中国で商売をして『台湾独立』を支持するとは何事か」というのが中国政府の見解である。

 許氏は奇美実業をABS樹脂生産で世界最大手の企業に育て上げた。中国には江蘇省のABS樹脂工場のほか中国各地に工場を持ち、既に数千億円の投資を行っている。最近、中国国内では奇美実業の工場長が逮捕されるなど、嫌がらせが相次いでいた。特に奇美実業の新会長は中国に軟禁され、「国家統一法について今日中にサインしろ」と恫喝されたこともある。

 さらに中国の政府機関は、奇美実業の関連会社や関連日本企業にも手当たり次第に連絡を取り、取引状況を克明に聞き出すなど恐怖心をあおっている。奇美実業の従業員は全員株主になっている。株主の中には中国側のお先棒を担ぐ者もいて、工場内にも不穏な空気が漂っている。

 許氏は既に奇美実業の要職から退いていた。しかし中国側は要職にあろうがなかろうが、創業者の許氏が依然として奇美実業に影響力と支配力を持っていると考えている。資本主義のルールや仕組みがどうであれ、共産党政権の標的は許文龍氏であった。

 奇美実業は20社の従業員1万人と、中国現地法人42社を含め傘下企業10万人の従業員を抱えている。会社の存亡を考えると、許氏は中国側の言いなりにならざるを得なかったのが真相である。

 許氏は最終決断を下すに際して、同郷で台南出身の陳水扁総統や李登輝前総統にも相談した。今回のことで両氏は理解を示してくれた。許氏は度重なる中国側の脅迫と圧力にすっかり疲れ果てている。許氏側に連絡を取ろうとしても、本人は外部との連絡を一切遮断している。武士道精神を持つ人だけに、中国側の執拗な追いつめ工作がこれ以上続けば切腹する可能性もある、と許氏の友人は真顔で語った。