反日プロパガンダ

こういう事をする国とは友好的な付き合いは難しいだろう。

【ソウル=黒田勝弘】韓国政府は近く、日本との教科書問題や領土問題などに対応するため大統領直属機関として「東北アジア平和のための正しい歴史定立企画団」を発足させる。歴史がらみで日本との本格的な「外交戦」に備え総合的、長期的に対処するプロジェクトチームで、盧武鉉政権の“反日路線”を担う組織として注目される。

 韓国では歴代政権下で反日運動が恒例のように展開されてきた。歴史がらみでは金泳三政権(一九九三−九八年)が日本支配から解放された「光復五十周年」の九五年、「歴史を正しく立て直す運動」を大々的に展開し、解放後、長く政府庁舎や国立博物館に使われてきた日本統治時代の旧朝鮮総督府ビルの解体・撤去を行ったりしている。

 盧武鉉政権も今年が「光復六十周年」ということで、竹島(韓国名・独島)問題や日本の歴史教科書問題で反日運動が高まっていることを背景に「歴史囲い込み」に乗り出したようだ。

 「正しい歴史企画団」(略称)は盧大統領の側近である金秉準大統領政策室長を団長、外交通商省の趙重杓・在外国民領事担当大使(前駐日公使)を副団長に「歴史対応チーム」「独島対応チーム」「法律チーム」など五つの班を置く。企画団には国際社会から「日本海」や「竹島」の名称を排除させる活動を行う「国際表記・名称担当大使」も含まれ、国際舞台での“反日運動”も推進することになっている。

 企画団には外交、教育、行政自治法務省や政府弘報処など政府の各省庁から約三十人のスタッフが派遣されるほか、市民団体代表や専門学者、研究者などによる諮問委員会も設置し、実質的には官民合同の反日推進機関になる。

 最大の狙いは教科書問題や領土問題で韓国側の主張を日本および国際社会に積極的にPRし、日本を外交的に屈服させることで、とくに「正しい歴史企画団」という名称が物語るように、日本との相互理解ではなくあくまで韓国の立場を「正義」として日本に受け入れを迫るという発想になっている。