関係修復か中国傾斜か

少し古い記事だけど、、、ただ中国傾斜は既に見えてはいるんですが。

【産経】韓国、対米同盟の分岐点

産経新聞2005年3月11日

【ハロランの眼 太平洋の真中で】

関係修復か中国傾斜か

 韓国は、波風の立っている米国との同盟関係を回復させようとするのか、それとも米韓相互防衛条約を解消して米軍を韓国から追い出し、中国との同盟を追求するのか、極めて重大な決定を下す時期にさしかかりつつある。

 米韓問題に詳しい韓国と米国の学者や政府当局者らがハワイに集まる機会があった。そこで大筋一致したことは、米韓同盟の将来には問題があるということだ。だが同盟関係が崩壊寸前にあるかどうかという点では一致をみなかった。ある人は同盟関係は弱まり、消滅しそうだと言い、別の人は過去にも同じような嵐に見舞われたと主張した。

 会議の前、米国の前太平洋軍司令官だったトーマス・ファーゴ海軍大将は韓国が間もなく同盟関係について決断を下す必要があると述べていた。退官直前のインタビューでファーゴ氏は「数年前、日本でも議論があったが、今回の事態もそれと同じだとみている」と語った。

 ファーゴ氏は日米同盟がめざましく強化されたことに言及したうえで、「日本は米国との同盟関係を維持することが明らかに国益になると決断した。私の直感では韓国でも同じようになるのではなかろうか」と指摘した。

 しかし、このような確信を持てない人たちもいる。一年前、延世大学の李廷●教授は「二十一世紀初頭における韓国の問題は、米国との同盟を存続し、強化すべきか、二十世紀以前の伝統的な保護者である中国に戦略的に適合していくべきかだ」と明確に指摘した。

 李氏はさらに「韓国は今後少なくとも二、三十年間の安全保障上の選択肢とそれに伴う結果がどうなるか、厳しくみないといけない」と続けた。

 率直な意見交換を行う会議のルールで名前は明かせないが、この席上、ある韓国の学者が同じような問題を提起した。「だれが韓国の本質的な同盟国なのか−民主的な米国か、アジアの中国か」

 同盟が崩壊の危機にあることを議論するなかで、発言者たちは大掛かりな反米デモや盧武鉉大統領の反米的な言葉遣いを指摘し、韓国の指導者たちが北朝鮮の攻撃を撃退するために米国と共闘することはないだろうと述べた。

 北朝鮮よりも米国のほうを脅威と感じているとの世論調査結果や、南北が分断されたのは米国の失敗であるとする論争、韓国の報道機関で反米的な記事が続々と出ていることなどについての指摘も多かった。

 ある韓国人は、国内で広がりつつある韓国人の姿勢について最も鋭い評価をした。「韓国人は自分たちの嫌いなものに対して戦うが、支持していることについては戦わない」。これは特に若い世代にあてはまる。彼らは反政府、反現状維持そして反米的だ。

 彼らに唯一、肯定的な感情がみられるのは北朝鮮に対するものであり、平壌に迎合する政策である。「宥和」という言葉では語られていないものの、多分にその要素を含んでいる。同時に朝鮮の一部が昔、中国の領土だったという主張には多少の疑念を抱きつつも、親中国であるといわれる。

 ある米国人は、北朝鮮が核保有の野望を放棄しようとしないうえ、韓国内に高まる反米感情を理由に、米国は朝鮮半島から手を引くべきだと主張した。ソウルと平壌は自分たちで議論に決着をつけざるをえなくなるだろうと。

 韓国の政府当局者や学者たちはだれも反論しなかった。しかし、米国人の中では意見が分かれた。

 ある人は撤退は北朝鮮が韓国を転覆させようとするのを助けるようなもので、政治的な混乱を引き起こすだろうと述べた。

 一方、別の人は、韓国が自国を防衛でき、駐留米軍を必要とする場所が他にあるのなら「米軍を韓国にとどめる理由などない」と主張した。米軍は韓国で人質にされており「同胞を解放してくれ」と締めくくった。

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 ■リチャード・ハロラン氏 ジャーナリスト。1930年、米ワシントンDC生まれ。60−70年代にワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙の東京支局長を歴任。98年、勲四等瑞宝章を受章。著書に「アジア目撃」(産経新聞に連載)など。ハワイに在住し執筆活動中。

 ●=王へんに文

これは、http://myjulia.gum.buttobi.net/imgs/1013.jpgの記事をテキストに起こしたものと思われる。