反米の切っ掛け

 ワールドカップで韓国中が赤い波に覆われていた昨年6月、米軍の装甲車が住宅街に近い細い通りを無理に通行しようとし、そこを歩いていた女子中学生2人をひいて死亡させる事件が起きた。真昼間に起きたこの事件を米軍は隠蔽しようとし被害者家族を脅迫、韓国政府も駐韓米軍地位協定(SOFA)により韓国内であっても米軍の事件事故は米軍が1次裁判権を持っているという理由で、事件をうやむやにしようとした。これを知った一般市民たちはインターネットに集結し、「米軍は時速6~16Kmで運行したと言うが、装甲車の物すごい振動と騒音から考えて女子中学生2人が後ろから近づく装甲車に気付かずひかれたというのはおかしい。通学路を装甲車が何の予告もなしに走るのもおかしい。被害補償もなく米軍は自分たち同士で裁判し無罪と言う。被害者はいるのに加害者はいない。これは米軍の犯罪ではないのか」という疑問を提示した。

米軍が引き起こした事件に対する反感は、沖縄同様、韓国でも醸成され強い反発を生んでいた訳だ。
この事件自体の影響や、インターネットの役割がどの程度のものだったか判らないが、少なからず大統領選に影響を与えたのであろう。