6月

EU憲法採択

6月17日午後から18日の深夜まで36時間に及んだ欧州連合EU)首脳会議(正確には加盟25カ国の同じ代表者によって構成されるEU憲法のための政府間会議=IGCと、欧州委員会委員長の選出を主たる目的とする欧州理事会EU首脳会議)は、欧州統合の歴史上初めて、EU憲法(正式には憲法条約)を採択して幕となった。

18日欧州理事会を終えた各国首脳の表情は安堵に満ちたものだった。開催前から再三決裂が論じられただけに、議長国アイルランドのアハーン首相は満面に笑みを浮かべて、「全員の勝利」と自画自賛し、シラク仏大統領は「ヨーロッパにとって重要な日」と述べた。ブレア英首相も「英国にとっての成功であり、ヨーロッパにとっての成功でもある」と語った。

EU憲法は、1958年に発効し、欧州統合の基礎となってきたローマ条約をはじめとして、マーストリヒト条約アムステルダム条約、ニース条約など7条約を一本に集約し、複雑な法体系を整備・合理化したものである。今秋に調印が行われ、2007年までに全加盟国の批准を得て発効することが期待されている。