日高義樹氏の見解

日高義樹氏もマイケル・ホロウィッツ氏と同じ米国ハドソン研究所の主席研究員。
ブッシュ大統領に強い影響力を持つシンクタンクの見解だけに軽く見るわけには行かない。
と思って、ちょっと調べると面白いサイトを見つけた。
http://www.radionikkei.jp/wmv/wmv-040925.html
ここで、日高氏が面白い事を語っている。2004年9月25日放送分で、アメリカの大統領選挙前の話であるが、ブッシュ再選後のアメリカのパワーゲームがどう行われるかを説明しており興味深い。ここで日高氏が語った事を要約すると次のとおりである。

北朝鮮問題

  1. 中国と北朝鮮とは別問題
  2. 2005年から半年以内に決定的な対立が起こり、金正日政権は崩壊させられる
  3. 日本ではブッシュ政権イラク戦争で懲りて北朝鮮に妥協的な姿勢をとっていると言われるが、今の妥協的な姿勢はあくまで大統領選挙戦略で、イラク情勢とは無関係。
  4. 金正日は冷戦終結後の問題点のトップイシュー
  5. 北朝鮮は何度もアメリカを騙して来た。だから第一の標的である。

台湾問題

  1. クリントンは中国に対して軍事的に抑える意思はなかったがブッシュにはある。
  2. 今後起こりえる台湾海峡の軍事対決は、旧来の陸軍や海兵隊を動員した占領作戦では無い。中国は、ミサイルや戦闘機で台湾の通信施設、政治施設、軍事施設を一挙に攻撃を仕掛ける近代兵器による攻撃を行う
  3. これに対しアメリカはあらゆる兵器を台湾に売却する用意がある。兵器と兵器による戦争だから国が小さくても戦争できるから自分たちで戦え。
  4. 中国が戦争を仕掛けたら、台湾は三峡ダムにロケットを打ち込み破壊するといえばよい。パワーバランスによって戦争は起きない。
  5. 中国の軍事的脅威に対しては米国は一歩も引かない
  6. 中国は経済面で拡張したければ米国のいう事を聞かなければならない
  7. 米国は中国に迎合しない。

国連

  1. 国連はもう用無し
  2. サダムフセインのお金で腐敗して役立たず、国際的なスキャンダル、安保理云々は米国にとってどうでもいい。
  3. 日本は常任安保理にしてやるが拒否権無し
  4. でも、ドイツはイラク戦争で反対したからダメ

まぁなんつうか、アメリカ中心主義なんだけど^^;、先の北朝鮮金正日政権の崩壊は既に折込済みで、その後と言うのは奴らはある程度青写真描いているんだろうな。
最後に、chosun.comに、中国の戦略についてのより詳しい記述を見つけた。

米国の代表的な対北朝鮮強硬論者の一人であるマイケル・ホロウィッツ氏(ハドソン研究所首席研究員)は23日、「北朝鮮は1年以内に内部から爆発し、金正日キム・ジョンイル)(総書記)は来年のクリスマスを楽しむことができないだろう」と主張した。
同氏はワシントンの研究所で「金正日政権は持続されるか」をテーマに行った講演で、北朝鮮内部のエリート層の動揺に加え、北朝鮮に対する米国、日本、中国などの立場の変化によって金正日政権は維持不可能で、遠からず自動的に崩壊するだろうと主張した。
同氏はとりわけ、「中国は金正日政権を持続させる政治的なコストが極めて大きいため、すでに金正日(総書記)の後継者にどういう将軍を選定し、この将軍が受け継いだ北朝鮮に20万人の人民軍を駐留させるシナリオを作成している」とし、「中国は北朝鮮の崩壊時、200万人の北朝鮮住民の南下を放置して韓国経済を麻痺させ、ライバルを排除する一挙両得を狙うだろう」と述べた。

韓国に200万人か。じゃ中国に難民は行かないのか?って言うと行くだろうな。北朝鮮に中国が継続して介入するなら、北朝鮮崩壊時のコストは中国が一番負担すべきなんだが。
中国がリードして金正日政権を崩壊させるなら、中国の息の掛かった将軍を立てて北朝鮮を継続させることもありえるか。
でも、幾つかのシナリオがありえる。例えば、日本が経済制裁を発動するとする。あちらは、日本の経済制裁を「わが国に対する宣戦布告とみなし、強力な物理的方法で即時対応するであろう」と言ってる国なんで、日本に対し攻撃してくるだろう。となると当然、日米安保条約により米国が軍事介入することとなる。この場合、中国(とロシアもかな)の行動を牽制する政治的布石が必要だな。
こちらのシナリオならば統一は可能か。でも、日本の負担はとんでもなく大きそうだな。
無論、この場合アメリカや韓国と十分打ち合わせしてやらなきゃダメだな。もっと言えばアメリカの指示で経済制裁するぐらいでないとダメだわな。戦争になるのが目に見えてるんだから。しかし、こっちのシナリオはダメだなぁ。韓国・日本の負担が大きすぎると思う。大体日本は戦争に対する準備が何もないもんな。